DS218jは初心者向けのNASとして第一選択肢として挙げられる機種です。
一方、DS218playはDS218Jの1つ上の位置づけになり、特にマルチメディア環境が強化されています。
特にDS218playは、4K Ultra HD ソースのコンテンツに対するリアルタイムのトランスコーディングをサポートすることができる点が大きな強みになっています。
ただ、この4K Ultra HDソースの変換機能があることでどれだけメリットになるのかいまいちわかりにくい点があると思います。
そこで今回は両機種を実際に購入して比較してみました。
ちなみに価格の面を比較すると、大体6,000〜8,000円程度、DS218playのほうが高いです。
DS218jとDS218playのスペック比較
ハードウェア比較
特筆すべき箇所のみを抜粋しています。
ハードウェア面の主な違いは下記です。
- CPU周波数がDS218playはクアッドコア、DS218Jはデュアルコアであること。
- DS218playにはハードウェアコード変換エンジンがあること。
- メモリがDS218playは1GB、DS218jは512MBであること。
以上から、ハードウェア面ではDS218playのほうが優っています。
ソフトウェア比較
次はソフトウェア面の比較です。
ソフトウェアも細かな違いはたくさんあるのですが、特筆すべき箇所としてはMomentsアプリの機能である「対象認識」がDS218playのみ利用可能であるという点です。
この「対象認識」という機能は、Synology側で写真を分析し、例えばネコが写っている写真だけを自動で分別することが可能になります。
実際にいろいろな動画を再生して比較してみます。
再生した動画について
今回用意した動画データは以下の6種類です。すべてスマートフォンのHuawei Mate20proで撮影した動画データになります。
ちなみにすべて録画形式はMP4、録画時間は30秒で統一しています。
解像度 | FPS | コーデック | データサイズ | ビデオビットレート | |
---|---|---|---|---|---|
動画1 | 4K 3840*2160 | 30 | H.265(HEVC) | 87.3MB | 22.3Mbps |
動画2 | 4K 3840*2160 | 30 | H.264(AVC) | 112.6MB | 28.9Mbps |
動画3 | 1080p FHD 1920*1080 | 60 | H.265(HEVC) | 56.2MB | 14.6Mbps |
動画4 | 1080p FHD 1920*1080 | 60 | H.264(AVC) | 59.5MB | 15.4Mbps |
動画5 | 1080p FHD 1920*1080 | 30 | H.265(HEVC) | 17.7MB | 4.5Mbps |
動画6 | 1080p FHD 1920*1080 | 30 | H.264(AVC) | 29.8MB | 7.7Mbps |
再生方法について
再生方法としては、下記の7パターンで試してみました。
デバイス | アプリ | 再生プレイヤー | |
---|---|---|---|
再生方法① | スマートフォン | DS video | VLC |
再生方法② | スマートフォン | VLC | VLC |
再生方法③ | FireStick 4K | AirReceiver(DLNA) | VLC |
再生方法④ | FireStick 4K | AirReceiver(DLNA) | vPlayer |
再生方法⑤ | FireStick 4K | DS video | 純正 |
再生方法⑥ | FireStick 4K | DS video | VLC |
再生方法⑦ | ノートパソコン | VideoStation | 純正 |
結果
再生方法①(スマートフォン、DS video、VLC)
DS218play | DS218j | |
---|---|---|
動画1 | ○※1 | ○ |
動画2 | ○ | ○ |
動画3 | ○※1 | ○ |
動画4 | ○ | ○ |
動画5 | ○※1 | ○ |
動画6 | ○ | ○ |
※1 当初、再生ができませんでしたが、DS videoのビデオ設定でコード変換をオフにすると再生できました。
再生方法②(スマートフォン、VLC、VLC)
DS218play | DS218j | |
---|---|---|
動画1 | ○ | ○ |
動画2 | ○ | ○ |
動画3 | ○ | ○ |
動画4 | ○ | ○ |
動画5 | ○ | ○ |
動画6 | ○ | ○ |
再生方法③(FireStick 4K、AirReceiver(DLNA)、VLC)
DS218play | DS218j | |
---|---|---|
動画1 | ○ | ○ |
動画2 | ○ | ○ |
動画3 | ○ | ○ |
動画4 | △ | △ |
動画5 | ○ | ○ |
動画6 | ○ | ○ |
DS 218play、DS218jともに動画4(60fps、H.264)が再生自体はされるものの、カクつきがひどく、快適に再生できるとはいえないレベルでした。
再生方法④(FireStick 4K、AirReceiver(DLNA)、vPlayer)
DS218play | DS218j | |
---|---|---|
動画1 | ○ | ○ |
動画2 | ○ | ○ |
動画3 | ○ | ○ |
動画4 | △ | △ |
動画5 | ○ | ○ |
動画6 | ○ | ○ |
vPlayerとはAirReceiverの純正?再生プレイヤーです。
こちらも再生方法③のときと同様に動画4(60fps、H.264)がうまく再生できませんでした。
また、今回はカクつきはなかったものの音声と映像が一致せず、スローモーションのように再生されてしまいました。
再生方法⑤(FireStick 4K、DS video、純正)
DS218play | DS218j | |
---|---|---|
動画1 | ○ | ○ |
動画2 | ○ | ○ |
動画3 | ○ | ○ |
動画4 | ○ | ○ |
動画5 | ○ | ○ |
動画6 | ○ | ○ |
再生方法⑥(FireStick 4K、DS video、VLC)
DS218play | DS218j | |
---|---|---|
動画1 | ○※2 | ○ |
動画2 | ○ | ○ |
動画3 | ○※2 | ○ |
動画4 | △ | △ |
動画5 | ○※2 | ○ |
動画6 | ○ | ○ |
※2 当初、再生ができませんでしたが、DS videoのビデオ設定でコード変換をオフにすると再生できました。
DS 218play、DS218jともに動画4(60fps、H.264)が再生自体はされるものの、カクつきがひどく、快適に再生できるとはいえないレベルでした。
再生方法⑦(ノートパソコン、VideoStation、純正)
DS218play | DS218j | |
---|---|---|
動画1 | ○ | ☓ |
動画2 | ○ | ○ |
動画3 | ○ | ☓ |
動画4 | ○ | ○ |
動画5 | ○ | ☓ |
動画6 | ○ | ○ |
DS 218jではH.265コーデックの動画データがすべて再生自体できませんでした。
まとめ
DS218playとDS218jの動画再生上の違いはPC上でのVideoStationにおける再生可否ぐらいでした。
ただこれはVideoStationを介した再生が不可だっただけで、ファイル自体は他の再生プレイヤーで再生可能です。
今回はMP4形式の動画しか試せていませんが、おそらくVLCプレイヤー上で再生可能な形式であれば、どんな形式の動画データも再生可能だと思われます。
このことから、DS218playの機能である「ハードウェアコード変換エンジン」はVLCプレイヤーなどのサードパーティ製アプリを使用するかぎりはあまり恩恵を受けることはないようです。
また、動画が再生されるまでのロード時間、早送り時のロード時間ともにDS218playとDS218jで体感上の差は感じませんでした。
どちらも体感上はストレスなく再生できます。このへんはネットワークの環境も関係してくるかと思いますが。。。
結論としては、PCでも動画を再生したいという方はDS218playを購入し、あまりPCでは動画を再生しないという方は、DS218jを購入してもいいと思います。
オススメはDS218jを購入して、DS218playを買わなかった分との差額でFireStick 4Kを購入することです。
もしFireStick 4Kを持っていない方は、DS218jとの組み合わせで購入すれば満足のいく動画環境が構築できると思います。
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